この後に一番やりたいことは、段位という評価基準を直接的に最大化する手法を構築してそれを実践することです。ただ単に、段位を最大化する麻雀を打てばいいだけです。ですが、この様な麻雀はどのように打てばいいか、複雑すぎてよくわかりません。では、段位を最大化する麻雀について、簡単で高い効果を発揮するような戦術はないのでしょうか?
第2章で述べましたが、天鳳はラス率を下げることが究極的に大事なのです。もしラス率のみを最小化することを目的とする手法ならば、構築できる可能性がありそうです。
ここまでの内容をまとめると、本来は段位を直接最大化できるような麻雀を打ちたいわけですが、それは複雑すぎてよく分かりません。そこで、ラス率の低下のみを目指した麻雀を打つという方針を取るのです。では、どのようにすればラス率を低下できるでしょうか?
当時にまず考えたラス回避の方法は、放銃率を徹底的に下げるということでした。つまり「放銃率を下げる」→「ラス率を下げる」ということにならないか?ということでした。ものすごく単純で当たり前な感じがしますが、徹底的に放銃率を低く抑えようと試みている人は誰もいないように思えました。
大まかな手法が決まればあとは実行です。
放銃率を0にすれば段位が増加するわけではありません。放銃を0にするのではなく低くするのが目標です。基本となる麻雀戦術は、とつげき東北式のやり方です。「おしえて!科学する麻雀」が基本書です。僕はこの本を何度も何度も読み返しました。今でも読み返します。そして「押しひきの基準」を中心に、ありとあらゆる判断基準を自分なりの判断で引き気味に修正していきました。局単位の期待収支を考えるのではなく、放銃率を下げる事を目的とするのです。引くというスタイルを確立するためには期待収支が若干プラスだと思っても一貫して引きました。