・東天紅との出会い
私が東天紅と出会ったのは、去年の11月でした。きっかけは、とある天鳳オフ会での飲みの席。隣に座っていたA君が、今にも深い眠りにつきそうなα波を溢れんばかりに放出していたので、寝られたらかなわんと思い、無理やり話をつなぐために自分の脳内A君フォルダをフル検索して、
「え、えーっと、三人麻雀が好きなんでしょ?今度やろうよ」
と必死に「寝たら死ぬぞ」的なリードパンチを繰り出しました。すると雪山のA君、体を24度起こして
「うんー、今度ね。今度東天紅やろう」
と3.7秒程現世に戻ってきました。この3.7秒が、その後の私の人生を変えたと言っても過言ではありません。過言です。
その2週間後、A君と、天鳳最強の打ち手との声もあるC君とで打つことになりました。
それまでに三人麻雀を打ったことは何回かありましたが、そこまで面白いゲームとも思えなかったので、正直気乗りしませんでした。
どうせ負けるだろうし、いかにして早く切り上げるかということばかり考えていました。その結果、実家住まいでもないのに門限が7時だという超設定にたどり着きました。
30分後、私の顔は紅潮していました。太陽系にこんな面白いゲームがあったとは。
ラジウムを発見したキュリー夫人や、マイク・タイソンに出会ったカス・ダマト以来の衝撃だったことでしょう。
まず、ひたすらプレイヤーの射幸心を煽る超インフレルール。
長すぎず短すぎない1ゲームあたりの時間。
そして、1つのミスがより致命傷となるシビアさ。
それらの要素が絶妙なバランスで組み合わさっていて、その秀逸なゲーム性に私は一瞬にして心を奪われました。キャッツアイ以来の奪われ方です。或いはハイエース窃盗団。
それからは、週に一度のペースで東天紅を打っています。
麻雀を覚えて間もない頃、とにかく時間があれば牌に触りたかったあのピュアな気持ちが甦ったかのようです。もしくは、ピュアすぎて他の予定がなさすぎるのか。今のところ負けることの方が多いのですが、打てば打つほど奥の深さに気づかされます。
このコラムでは、東天紅のルールとその魅力について語っていきたいと思います。
三人麻雀に興味がない、または私に興味がない、という方にも是非ご一読頂けると幸いです。